
東京都の空き家対策
「平成25年住宅・土地統計調査」によれば東京都の空き家総数は81万件を超えています。
さらに23区をみても、58万件以上の空き家が存在するのです。
空き家率でみても約11%もあり、全国平均から見れば低い数字ではありますが、23区という日本の中心部でこれだけの数値がでていることに驚く人も多いのではないでしょうか?
このような状況下では、東京都も黙って見過ごすことはできず、深刻な空き家増加の問題を受けて本格的に空き家対策に乗り出したのです。
2015年度には1億円規模の予算を投入しており、真剣に対策を講じようとしているのがわかります。
とは言えこの金額でできることはかなり限られているため、今後は更なる予算の確保が見込まれています。
東京都の動きは限定的
では東京都がどのような対策をしているのか、その主な内容は市区町村の補助・サポートになります。
都内の各市区町村はそれぞれで空き家対策を講じており、東京都はその対策計画や実際の改修・撤去工事などに助成金を出す役割を担っているのです。
空き家の対策にはどうしても費用がかかってしまうため、東京都の補助・援助によりその負担を軽くしようという仕組みです。
市区町村からすれば費用を抑えつつ空き家対策が実行できるため、これまで以上に積極的に動けるメリットがあるのです。
逆に言うと東京都が直接的・具体的に動くことは原則的にないため、空き家問題をどうするかは市区町村に任されている部分が大きいと言えれるのです。
たしかに各市区町村の問題を東京都が担当するとなれば、様々な問題が起きるでしょうからこの方法がベストなのでしょう。
いずれにせよ市区町村にしてみれば、経済的な部分で都が支えてくれるとなれば空き家対策は進めやすくなるのは間違いないでしょう。
そして今後さらに増加すると予想される空き家問題の解決に向けて、大きな一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。
市区町村での対策とは
次に都下にある市区町村ではどのような対策を考えているのでしょうか。
文京区の空き家対策
たとえば文京区では空き家を撤去し、その土地を区で利用する取り組みを始めています。
これは土地の所有者から申請を受け、区が空き家の危険度を調査しもし区で利用可能な土地であれば空き家を撤去してその土地を10年間借り上げるというものです。
さらに撤去時には区が200万円を上限として費用の補助も行いますので所有者の負担は最小限で済むようになっています。
所有者からすれば不要な空き家を補助金を使って対処できるうえ、その後の跡地も区に借り上げてもらうことができるため、多くのメリットが考えられます。
文京区ではこうすることで空き家問題を解決していこうというわけです。
台東区の空き家対策
次に台東区では、空き家を子育て世帯向けの賃貸住宅として利用する対策を進めていて、条件を満たしていれば改修工事の費用の一部を負担してくれます。
子育て世帯にとってとても有用な対策ではないでしょうか。
また単に空き家を撤去するのではなく、住宅として再利用する形をとっているのが特徴です。
いずれにせよ空き家問題の解決に重要なことは、必要な費用を自治体が負担するという点でしょう。
そして空き家の撤去等にかかる高額な費用がネックになっていることがわかります。
つまり経済的な問題から空き家を放置せざるを得ない所有者はそれだけ多く、空き家の撤去費用をいかに抑えるかが、今後空き家を減らしていく最大のポイントなのです。
助成や無料相談を活用
各自治体によっては空き家の解体にかかる費用を助成してところもあります。
興味のある方は、自治体ごとに諸条件は異なりますので、該当する役所までお問合せ下さい。
また弁護士・司法書士などといった専門家による無料の「空き家対策相談」を実施している自治体もあります。
特に相続などで受け継いだ不動産を実需として使用できずに空き家にしている方は、専門家に相談することをお勧めします。
また売るのか?解体するのか?住むのか?空き家の対応に困った場合は、無料相談を利用して不動産の専門家にいろいろと意見をもらうこともいいかもしれません。
いずれにせよ、空き家を放置することは経済的な損失だけではなく、ご近所トラブルにも発展しかねません。
まずは空き家をどうしたいのかを決定して、迅速に行動(売却・運用・相談)することがあなたに大きな利益をもたらすことにつながるのではないでしょうか?