
神奈川県の空き家対策
総務省の調査によると神奈川県の空き家の数は約49万戸ほどで、これは日本全国で東京、大阪に次いで3番目に多い数字です。
空き家率でいうと11.19%(平成25年度)で、全国平均からみると低い数字ですが、5年前と比較すると10.54%(平成20年度)から0.65%も上昇しているのです。
そして空き家率は今後もさらに増加すると考えられますし、神奈川県にとって空き家問題は早急に解決すべき問題になっているのです。
空き家総合相談窓口
こうした事態を受けて神奈川県では、空き家の所有者へ向けて、空き家総合相談窓口を開設しています。
この空き家総合相談窓口は空き家を所有している方に向けて、下記のような相談ができる体制を整えています。
- 空き家をどうやって活用していけばいいのか?
- 空き家を売却したり、賃貸住宅として利用したい場合にどうすればいいのか?
- 空き家にしないためにはどんな方法が考えられるのか?
- 空き家を地域のために活用する方法?
また専門家による相談も実施しているため、空き家問題で法律的にわからないことなどあれば、無料で相談が可能ですので活用しない手はないでしょう。
この相談窓口からもわるように、神奈川県の空き家対策に対する姿勢は、自治体として撤去をしたり、所有者から借り上げたりするのではなく、所有者が空き家を有効に活用できる方法を一緒に考えていこうという取り組みです。
しかし、空き家問題は所有者が問題意識を持って動くことが重要ですが、経済的な部分の問題もあってなかなか難しい状況が続いています。
そこで自治体がサポートをすることで、空き家を空き家でなくしてしまえば、結果的に空き家問題の解決につながるわけです。
現在は空き家でも誰かがしっかりと管理し、有効に利用されればそれはもう空き家ではありません
この神奈川県の空き家に対するコンセプトは非常に優れているのではないでしょうか。
空き家バンク
また神奈川県では空き家バンクという取り組みも行っています。
これは神奈川県内にある空き家をデータベース化し、空き家の所有者と不動産関係の組織をつなげようという目的で開始されました。
まず、空き家の所有者は自治体に空き家を情報として登録します。さらに空き家を利用したい希望者はその情報を登録し、この2つの情報を自治体がマッチングし、所有者と空き家利用したい希望者をつなぐわけです。
所有者は希望者に空き家を売却したり、貸すことで空き家の管理をする必要がなくなり、希望者は良い物件を手に入れることができます。
その後は賃貸住宅やオフィスとして再利用されることになり、空き家を撤去することなく問題の解決が図れます。
空き家バンクの可能性
登録情報は2年間有効で、所有者は情報を登録せずに申請だけすることも可能です。
この場合でも空き家を利用したい希望者へのマッチングは行われますのでどちらの方法でも結果は同じです。
まだまだ活用、再活用できる空き家も多いですから、このような方法で再利用を目指す対策はとても有効でしょう。
空き家の所有者、利用したい人の、両者とってメリットのある方法で、神奈川県だけでなく日本全国で同じような対策が見られます。
また流通、補修、管理などの仕事が発生することで、不動産業・建設業などの売上につながり、新たな雇用を生み出し地域人口の増加へとつながる可能性も秘めているのです。
地域の人口が増えれば、住宅需要が増えて空き家の減少につながるという大きな流れが形成されるのです。
市区町村の動き
神奈川県内の市区町村でもさまざまな空き家対策を講じています。
横浜市を例にとると、不動産(空家)の売買や賃貸に関しては宅地建物取引業協会、
空き家の相続・紛争、成年後見等権利関係の整理などについては弁護士会、
相続登記、成年後見などは司法書士会、
建物に関しては建築士会などの専門家による無料相談の体制を整備しています。
相談したい内容により相談先を選択できるため、有効に活用すれば無駄なく重要な情報を収集することも可能です。
無料相談と解体費の助成を併せて活用
地方公共団体など行政による相談は原則無料で活用することできます。
また市区町村によっては解体費用の助成も行っていますので、あわせて活用してみは如何でしょうか?
以上のように神奈川県では空き家の増加を抑えるために、多くの支援・助成を行なっていることがわかります。空き家対策にお困りの方はまずは相談することからはじめてみては如何でしょうか?
また空き家というとマイナスなイメージもありますが、空き家と言っても立派な不動産資産です。
その資産を放置することはとても大きな損失となります。
思い切って売却する、賃貸・民泊などで運用することも視野にいてるのも良いかもしれません。