
不動産投資を行う場合、まず運用する投資物件を取得することからスタートしますが、投資物件を購入する際に物件費用以外にさまざまな諸費用が必要となります。
その諸費用を大きく別けると、仲介手数料・ローンなど物件購入に関わる費用と税金の2つに分類できます。
さらにその税金は一度払って終わりのものと毎年課税されるもの2タイプに別れます。
このように不動産を購入するには多くの種類の諸費用が存在するため、これらを考慮した資金計画が必須となります。
それではこのページでは不動産を取得するときに発生する税金に焦点をあてて解説していきたいと思います。
印紙税
印紙税は不動産購入時に不動産の売買契約書(不動産売買契約書、土地建物売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証
書)や住宅ローンの契約書を交わす際に必要となります。
契約書に貼る印紙を想像するとわかりやすいと思います。また印紙の額は契約金額によって変動します。
なお平成28年11月現在、印紙税は軽減措置により以前よりも引き下げられています。下記を参考にして下さい。軽減措置は平成26年4月1日から平成30年3月31日までとなります。
不動産契約書印紙税額
1~50万円以下:200円
50~100万円以下:500円
100~500万円以下:1000円
500~1000円万以下:5000円
1000~5000万円以下:1万円
5000~1億円以下:3万円
1億~5億円以下:6万円
5億~10億円以下:16万円
10億~50億円以下:32万円
50億円超:48万円
消費税
不動産を購入する際にも、消費税は課税されることになります。不動産のように高額なものの場合、消費税の8%は馬鹿にならない金額になります。
消費税増税時に駆け込みで不動産を購入される方が多いのも、こういった理由からなのです。
ただし消費税は、取引金額全てに課税されるのではなく、建物に対してのみ課税されることになります。
つまり土地は非課税となりますので、土地のみの売買を行った場合は消費税はかかりません。
不動産投資の場合、消費税が課税されるケースは主に下記の4つが考えれられます。
- 建物の売買代金
- 仲介手数料
- ローン手数料
- 登記に関る司法書士の報酬
ちなみに居住用の場合、売主が個人あれば建物に対しても課税させません。
登録免許税
登録免許税は不動産の登記(土地の所有権の移転登記、建物の登記)にかかる税金です。
わかりやすく言えば、不動産の持ち主が変わるときに、その不動産の権利関係を登記簿に記憶する手続きにかかる費用にな
ります。また不動産投資を行う上で、登録免許税は経費計上できます。
土地、建物によって税率が異なりますので、詳しくは国税庁のHPでご確認下さい。
不動産取得税
不動産取得税は売買・交換・新築・増改築・贈与で不動産を取得する際に、課税される税金です。
納税金額の算出
取得した不動産の価格(課税標準額)×4%
※平成30年3月31日まで、軽減税率適応のため3%となります。
不動産取得税は一度のみの課税となり、概ね不動産取得後4~6ヶ月に納税通知が届き、納付する流れになります。取得から少し時間を置くことになりますが、納税の資金はしっかり確保しておきましょう。
また不動産投資を行う上で、不動産取得税は経費計上できます。
固定資産税・都市計画税
固定資産税は毎年1月1日現在、不動産(土地・建物など)を所有する人に対して課税される税金です。
固定資産税の計算は下記の通りです。
固定資産税額=課税標準×1.4%(標準税率)
都市計画税の計算は下記の通りです。
税額=課税標準×最高0.3%(制限税率)
なお不動産投資を行う上で、固定資産税・都市計画税は経費計上できます。
不動産所得による税
不動産運用による賃貸などの収益は、他の所得と合算して課税されることになります。
なお家賃などの総収入金額から必要経費を差し引いたものが不動産所得の金額となります。家賃以外にも更新費用、返還の
必要のない敷金・保証金や光熱費・清掃費用などの共益費等も総収入金額に含まれます。
不動産投資を副業で行う場合は、本業の収入に不動産所得を合算して、必要経費を差し引いた金額に対して納税することに
なります。
個人事業税
個人事業税は不動産所得が年間290万円以下であれば課税されませんが、これを越える分については5%課税されます。
また戸建て5棟、マンション10室以上のどちらかに当てはまる場合、事業的規模としての課税になり、下記のメリットが考えれます。
- 青色申告特別控除として65万円使える。
- 一定条件のもと、家族に給与を支払うことができる。
- 家賃未収金を経費計上できる。
- 資産の除却、取壊などによる損失を必要経費として計上できる。
※付帯条件がありますの、税理士等にご相談下さい。
譲渡所得税
譲渡所得税は不動産を譲渡=売却したときに利益がでたときに課税される税金です。
不動産投資を行う上では、キャピタルゲインが望める売却のケースが考えられます。
譲渡所得=販売価格-取得費-譲渡費用
なお譲渡所得税は売却した金額がマイナスになる場合は、課税対象になりません。
また同年に複数の不動産を売却する場合、物件の損益を通算して計算ができるため、マイナスの物件を売却する場合は、うまく活用することで節税になります。
不動産投資と税金
不動産投資の資金計画を立てる上で、これらの税金についてはしっかりと把握しておく必要があります。
また税金は購入時、運用時、売却時のすべてのシーンに関わってくるため、どういう性質のものかをおのおの理解して置くことで、節税につながることもあります。
特に不動産運用時に経費計上できるもの、売却時に損益通算できるケースなど、直接節税につながるものはしっかりおさせておくことをお勧めします。