賃料低下のリスク
賃料の低下(だんだんと賃料を下げること)は不動産投資を行う上では避けて通ることができないリスクだと言えます。
家賃収入は不動産投資最大の目的ですが、状況に応じて下がっていくの通常です。
そもそも家賃というのは物件の立地、間取り、広さ、築年数、利便性(最寄りの交通機関や商業施設など)様々な要因によって決まります。
そしてある程度の相場があり、そこから逸脱した賃料を設定するば、当然入居者の確保は困難になります。
また賃料はさまざまな要因で変動するため、不動産投資をはじめた時からずっと一定のものではないという点を考慮しておく必要があります。
変化のない所在地・間取りなどを除いた条件で、家賃が下げる状況を想定すると、建物の経年劣化・周辺環境の変化が考えられます。
賃料が低下する理由
では賃料が低下する代表的な理由を考えてみましょう。
まず最も代表的なのものに経年による建物の劣化があげられます。
基本的に築年数が浅い建物が新しい物件ほど家賃は高く設定できまが、時間の経過とともに建物も劣化していきますので、入居者を確保するにはどうしても家賃を下げざるを得ません。
次に需要の低下と利便性の問題があります。
需要の低下というのは入居者にとって魅力のある環境・条件などが変化してしまったと捉えて良いでしょう。
例えば近くに充実した商業施設があったのに潰れてしまったなどが代表的な例です。
また利便性というのも似たようなものになるのですが、最寄り駅まで徒歩10分以上かかる、近隣に病院や学校などの施設がない、といった立地としての側面で考えると良いかもしれません。
また環境の変化がおこる最大の原因のひとつに、人口の減少との関連性があげられます。
人口減少により周辺の商業施設の集客力が落ち、売上の下落、企業撤退といった負のスパイラルにはまる場合がいい例です。
賃料低下への対策(一棟収益物件)
こうした賃料が低下する理由に対して、ある程度の対策をとることはできます。
まずアパート・マンションの一棟収益物件から考えていきましょう。
まず入居者にとって魅力的な物件であろうとすることが大切です。
例えば、不動産投資を行った物件ではどのような層の入居者をメインターゲットになるのかを考慮し、その層にあわせた設備投資を行うのです。
一人暮らしの入居者が多い場合は、宅配ロッカーを取り付けることによって、いつでも荷物を受け取ることができるようになります。
同じような条件の物件があったとして、宅配ロッカーのあるなしが一人暮らしの入居者獲得につながっても不思議ではありません。
またファミリー層に向けた物件なら間取りを人気のあるものに変えたり、防音設備に力を入れてみるのも良いでしょう。
つまり入居者にとってその建物が魅力的であるのか、支払う賃料に対して納得のいくものなのかを考えてみると、賃料の低下にある程度は対策をとることができるはずです。
建物の劣化などについてはどうしようもないのですが、それでも入居者にとって魅力的な物件であり続ければ急激に賃料を低下させなくてもすむでしょう。
定期的なメンテナンスで物件の状態を良い状態に保つことが重要です。これはしっかりと物件管理がされていることにもつながるため、入居者にとってもメリットになります。
賃料低下への対策(区分マンション)
次に区分マンションで不動産投資をしている場合はどうでしょうか?
区分マンションの場合は、共有部分をいじることはできないため室内での対策がメインとなります。
たとえば、契約更新時の更新費用を撤廃することで、更新時の退去リスクを減らすことができます。
通常更新費用は賃料の1ヶ月分ももらえないことを考えると、退去から次の入居者が見つかるまでの損失を考ると無料でも更新してもらった方がプラスになる場合が多いのです。
管理規約で禁止されていない場合に限りますが、ペット飼育可能物件にすることも有効な手段と言えます。
この場合は入居者の募集時に賃料を上乗せして募集することもできますので、収益の底上げにもつながるのです。
費用を掛けないでできる対策もありますので、まずは入居者の立場になってどういったものが物件の強みなるのかを考えることが大切です。