
日本と欧米の価値観
日本では中古住宅は経年するたびに建物の価値が低くなってくるのが当たり前の世界です。
しかし、ヨーロッパやアメリカでは中古住宅は値上がりする場合もあります。ではこの理由は一体どこにあるのでしょうか?
この理由にキャピタルゲインを狙う不動産投資成功へのヒントが隠されているのはないでしょうか?早速検証していきたいと思います。
日本の税制
日本の税制では不動産には固定資産税が課税をされます。
もちろん、新築、中古に関わらず不動産に対しては必ず維持費がかかるのは当然のことです。ですからそれに付帯する税金もかかって当然のことになりますが、経年をするとなぜ日本の不動産は価値がさがるのでしょうか?
まず固定資産税の定義についてですが、日本は自由主義の資本主義国家になるのですから当然、私有財産は認められます。あなたの私有財産を保証するのに無料で保証するというお人よしの資本主義国家はありません。
そこで「あなたの資産を私有するのにはその保証料が必要ですよ」という税金が固定資産税になります。
耐用年数と建物寿命
しかしこの固定資産税の建て物に対する課税は、木造住宅の耐用年数が22年と法令で定められている理由から、たいていの場合「22年を経過すると無税」になってしまうのです。
しかしこの耐用年数というのは企業会計士による消却年数だけの話であって、木造住宅の実際の耐用年数としてはもっと長くなります。
つまり消却するのに22年かかるので単純に22年としているのであって、決して建物の実際の耐用年数が22年程度ではないということになります。ちなみに建物が無税になったとしても土地には税金が課税をされますのであなたの私有財産に対しての保証がなくなったわけではありません。
つまり税金が無税になる段階で日本の不動産評価というのは実質ゼロになってしまうのです。これっておかしくないでしょうか?
見方を変えれば?
見方を変えれば、価値ある木造住宅が無価値なものとして土地の代金だけで売買されていることに、大きな実がなりそうな物件が潜んでいるということの裏返しになります。
まず欧米では不動産を購入することを基本的に投資と考えていて、家を買ったら高く転売することを前提に購入しています。そのために住んでいる間のメンテナンスを欠かさないというのは基本中の基本になります。
しかし、日本の場合は家を買ったらその家に一生住むつもりで購入をしますので転売を目的としている欧米人と比べてそのメンテナンスはおろそかになりがちです。
このことが何を意味しているかといえば、「家を有効に利用してもっと高く売ってしまおう」という意識の欠如を表しているのです。
かけ離れた行動
たとえばあなたが投資用不動産を取得して、それを一生運用するつもりで購入するというのは間違いなのです。物件に対しての知識があればその不動産を上手にメンテナンスをして、きれいに使えば古くても思わぬ人気物件になる可能性があるのです。
地方の不動産オーナーによくあるケースなのですが、メンテナンスもせずにぼろぼろの状態で値段が上がるのを待っているケースがありますが、これでは話になりません。
買いたい人は、きれいな状態を望みますのできれいに磨き上げるのは当然のことです。もちろん、お金をかけたらその分だけ価値は上昇するでしょう。
つまり欧米人と日本人の不動産に対する考え方は天と地ほど違うことが背景にあるから中古住宅相場にも違いがあるのです。
投資用、住居用の物件をもったら意識をしたいこと
投資用であろうと、住居用であろうと不動産を取得した場合は、日本人にはそれを一生保有しようとする意識が強いものです。
すなわちこの意識が、メンテナンスの不要論が幅を利かせる原因になっているのです。その結果、中古住宅はより一層みすぼらしくなり、新築住宅により人気を呼ぶという展開になっているのです。
こういった税制から中古住宅が無価値になってしまうのは非常に合理的ではないし、さらに住宅を取得した以降、一切のメンテナンスを考えないオーナーなどは失敗の王道を歩むことになるのではないでしょうか?。
そして不動産投資で成功するヒントは、購入時に出口戦略を意識して、物件の価値を下げない運用を行うという、欧米的な不動産への考え方に隠れているのではないでしょうか?