
相場よりも安い理由
競売物件の一番の魅力はその低価格でしょう。
一般取引きの不動産物件では無理でも、自分が考えている予算では到底手に入れることができないような地域の土地や建物を購入対象にすることができるのです。
その価格は一般的な相場の3割程度低くなっていますし、最低売却価格もピンからキリの範囲で多数存在します。
しかもタイミングによって入札者が少なければ、さらに安く手に入れる可能性もあがるのです。
しかしおいしい話だけではないのが、不動産競売の実情なのです。では不動産競売のリスクにはどんなものがあるのでしょうか。
説明する担当が不在
不動産会社のように、物件について詳しく説明してくれる担当者がいません。
一般の物件の場合は、購入を検討しているときには不動産会社の担当者に、物件の状況についていろいろと尋ねたり説明をしてもらったりすることができます。
また売主も物件の情報を出し惜しみすることなく提供してくれるでしょう。
しかし競売物件の場合には、裁判所の競売による物件のため詳しい説明を聞くことができません。
内見ができない
一般の物件ですと不動産会社の担当者が、興味のある物件の中を気が済むまで内見させてくれます。
しかし、競売物件の場合は内見することができません。なぜなら、競売手続きが取られている間は、所有者の物件のため勝手に中に入ることができないないのです。
こういった理由で物件の中の内装や管理状態を自分の目で確認することはできません。
通常であれば購入前に中をしっかり見て、水漏れなどがあれば、そこを事前に売主に直してもらったりすることができます。
しかし競売物件ではそれができません。
しかも住んだ後から破損個所や大幅な補修が必要になるような時でも、元の持ち主に責任追及をしたり、契約の取り消しなどをしたりすることができません。これは大きなリスクとなります。
競売物件は三点セットが重要
それでも、外から外装の状況を見たり、近所の方に話を聞いてみたりして物件の情報を得ることはできます。
さらにそれぞれの競売物件には3点セットという資料があり、そこからも情報を得られます。
その1つは物件明細書というものです。対象不動産について、借地権や第三者が絡む権利など、具体的にどんな権利を引き継がなければいけないのかなどの必要な情報が記されています。
2つ目は評価書です。不動産鑑定人が物件の適正価格を評価したものです。
3つ目が現況調査報告書で、執行官が実際に現地まで行き、物件の状況や関係している人たちの陳述、そして執行官自身の意見まで記されているものです。
競売を入札する方には必須のものとなります。
このようにある程度の情報がありますが、逆に言うとこれしか情報がないのです。
支払い方法
別のリスクとして、入札を行うときの保証金や、残代金を支払うときに現金で一括納付しなければならないということも挙げられます。
もちろん、銀行の融資をそれに充てこともできますが、この融資を受けられない場合は、上記の金額が高額になった場合、支払うことがかなり難しくなるでしょう。
そして、落札できるのが一人だけというのもリスクの一つです。
時間と費用をかけて、現地へ行ったり裁判所や役所へ行ったりしても、人気のある物件ですと落札できる可能性はとても低くなるのです。
すべての努力が水の泡ということも十分にありえます。
しかし物件を相場よりも安く購入できたな場合は、自分好みのリノベーションして、自分の好みな家を安く完成させられるというメリットももちろんあります。
また買い替えなどの場合も購入費用を抑えた分、資金的に余裕を持つことができるでしょう。
競売に参加するにはリスクを認識して、十二分の調査を行ったうえで入札額を決定することがリスク回避へをつながるのです。