
競売物件とローン
皆さんはマイホームを購入するとき、すべての費用を一括支払いで済ませてマイホームを購入しますか?
できるものなら当然一括で支払いたいけども現実は・・・というのが一般的ではないでしょうか。
ローンを組まなくては購入できない現実は、一般的に流通している不動産を購入する場合も、競売物件で不動産を入手する場合も同様ではないでしょうか?
つまり一般取引であれ競売であれどちらのケースでも、マイホームを購入する場合は、金融機関のローンを利用して長期間をかけて返済していくのではないでしょうか。
そして気になるのが競売物件に住宅ローンが使えるのか?
答えから言うと、「YES」です。しかし競売で住宅ローンを使うには超えなくてはならないハードルがあるのです。
競売物件は本当に安い?
少し話が外れますが、競売物件は本当に安いのか検証してみましょう。
住宅ローンを組むときに思うのが、ローンの返済額を抑えるためにできるだけ安く良い物件を手に入れたいと言うことです。
そして出番となるのが、不動産を相場よりも安く購入できる方法として注目されている不動産競売による物件の購入です。
しかし「競売ってそんなに安くないのでは?」とここ最近耳することがあるのですが、実際はどうなのでしょうか?
後で解説する法改正により、競売の入札に参加する一般の方が増えたことで、落札額が引き上げられ以前のような格安で入手することは難しくなっていると言われています。
しかし実際に落札する方を調査すると、法人が多くを占めていることがわかります。そしてこれが意味することは、不動産業者による仕入れが行われていることを意味しているのです。
そして不動産業者に仕入れられた物件は次に一般市場に売り出されることを考えると、落札した金額で購入できれば市場価格よりも安いことがおわかり頂けると思います。
しかしいくら相場より安い買い物と言っても、多くの人からみてやはり一括で支払えるような額ではないでしょう。では不動産競売物件を買うときでも、一般の物件と同じように住宅ローンを組むことはできるのでしょうか。
結論から言うと以前であればほとんどの場合で困難でしたが、今は金融機関によっては可能な場合もあります。実際にローンを使って購入されている方もいます。
それは法改正により可能になったのです。
法改正
今まで不動産競売で不動産を買いたいと思う人は、銀行からその資金を借りることがなかなかできないため、大部分を自分の資金で購入しなければなりませんでした。こういった資金の面でいっても、不動産競売物件とは一般の人には狭き門でした。
しかし、より多くの人が競売に参加できるように、法律が改正されました。具体的には、民事執行法82条2項が平成10年12月に改正されました。
その内容は競売不動産物件の代金を納付すれば、所有権移転登記に必要な書類を遅れることなくその場でもらえるというものです。
改正前は、代金を払ってから所有権移転登記が行われるまでに時間がかかりました。それゆえに、落札した不動産に担保設定ができず、銀行で住宅ローンを組むことができなかったのです。
しかしこの改正により代金の納付と銀行の担保設定が可能になったので、融資が実現できるようになったのです。
銀行が融資を行う前には、必ず審査を行います。しかし不動産競売物件の場合は落札できるかどうかが確定しているわけではないので、この審査を前もってすることができません。
仮に手続きは進めていても落札できない場合は、手続きなどに要する時間を無駄にするため、住宅ローンを組むのを嫌がる銀行が今までは多かったのです。
この法改正によりかなり多くの人が競売に参加できる条件が整い、これにより不動産競売の認知度が高まってきました。そういった背景もあり、都市銀は難しいですが、地方銀行や信用金庫の中には住宅ローンを提供するところも出てきたのです。
金融機関により取り扱いが異なる
しかし融資に前向きな金融機関でも、個人の申し込みに応じるかどうかは微妙なところです。というか相当な確率でお話にならないで終わってしまうでしょう。
これは一般的な不動産の購入でも同じなのですが、不動産業者が売買に関わっていないと取引ができないのと同じ扱いになります。要は実際の物件がないとお話にならないということです。
それでもチャレンジしてみたい方は、事前に担当者とその金融機関で住宅ローンが組めるかどうか、また競売物件取得に協力してくれるかどうかを確認しておくことは、事前準備としては良いかもしれません。
では競売物件に住宅ローンを使うにはどうすれば良いのか?
それは宅建業を持つ不動産業者で、不動産競売の代行をおこなっている業者を利用することです。特に競売代行業者と金融機関にすでに取引実績があり信頼関係を築いている場合は、ローンを組むことができる可能性は格段にあがります。
そのため、まずは競売代行を行う不動産業者を探すことからはじめてみて下さい。
探し方は簡単でお近くの不動産会社に競売の取り扱いが可能か確認すればOKです。
そして競売取り扱い可能な業者を複数確保して、手数料とどこまでサポートしてくれるのかを確認して下さい。