
環境状況の変化
購入した家が実は自分や家族に合っていなかったということは年数が経過すればするほど起きることです。
なぜなら家というのは実際に生活してみなければ分からないことが多いからです。
さらに当初は生活にマッチしていて満足していたけれど、子供が成長したり、家族構成が変わったり、自分の生活スタイルが変化したりして、家と家族の生活が合わなくなるということもあります。
その場合に住み替えを検討することがあるでしょう。
しかし多くの方が心配するのは、まだ住宅ローンが残っているのにこの家を売れるのかということです。
売却が残高より多い場合
結論から言うと、ローンを残したままで売却をすることはできません。
しかしローン返済中であっても、売る方法はきちんとあります。
家を買い替える時にローンを完済しているというのはまれなケースで、ほとんどの方は売却を検討するときにはまだローン返済中なのです。
住宅ローンというのはたいてい30年前後のものを組むわけですから、そうなってしまうのも当然です。
では、ローン返済中に家を売るにはどのような方法があるのでしょうか。
まず売却を可能にするには、家を引き渡す時に住宅ローンが完済できている必要があります。
つまり銀行にお金を払い終わっていて、その家が銀行の担保設定から解除されている必要があるのです。
担保設定を解除するにはどうしたら良いのでしょう?
仮に、今住んでいる家が売れたとします。そうすると大きなお金が入ってくる訳ですが、それをローンの残債に充てて支払いをすべて済ませてしまうのです。
売却と同時にローンの返済も完了させてしまうのです。
例えばローンが400万円残っていたとします。しかし家が1000万円で売れました。
この場合は1000万円の収入があったわけですので、そこから残っているローンの400万円を支払います。
これで住宅ローンは完済し、問題は解決しました。
しかも600万円はまだ残っていますので、これを次の家の頭金などに使うことができるでしょう。※ローン解約手数料、登記費用、税金などがかかりますので、これら費用を忘れずにしましょう。
売却が残高より少ない場合
難しいのは、ローンが仮にまだ1300万円ほど残っていた場合です。
家は1000万円で売れたのですが、そのお金を返済に充てたとしても、まだ300万円足りません。
そうすると、銀行は住宅ローン返済がすべて終わっていないので、売れたはずの家を担保から外すことができないのです。
抵当権を解消することができない状態では、買主に家を明け渡すことができないので、売買契約が成立しません。
何か方法はあるのでしょうか?
不足分を自分で支払う
このような場合でも抵当権を解消する方法があるにはあります。
足りない分のお金、つまり今考えているケースでいうと、足りない300万円を自分で用意するのです。
どこか金利の安い金融機関から借りて支払うこともできるでしょう。
または、抵当権の解消のために新たに買い替えローンを組むということもできます。
そして、新しい家のローンは別に組むのです。
どのような方法をとるにしても、不動産会社と良く相談をし売却想定価格をできるだけ正確に、現実的に設定する必要があります。
そのうえで、今の住宅ローンの返済、新たな家のローン設定などの資金計画を無理なく立てることが大切になります。
住宅ローンの返済中でも不動産は売却できますので、銀行、不動産屋などの専門家によく相談をして、自分や家族に合ったより良い住まいを探してください。