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日銀のマイナス金利の意味

2016年1月の日銀の金融政策決定会合で黒田日銀はサプライズのマイナス金利の導入を決定しました。そして今月2月にマイナス金利は導入されました。これにより住宅ローンの借り入れ金利は過去最低となっています。

今回はこの金利低下の影響を考えていきましょう。

私はこの発表がされたときに日銀の当座預金全てにマイナス金利が導入すされるものだと思いましたが、実際は違うようです。もうだいぶ報道されるようになりましたが、このマイナス金利というのは一部の当座預金に適用されるものです。つまり、全部の当座預金に適用されるものではありません。

参考までにこの日本銀行の当座預金というのは、日本の金融市場に余剰な資金があるかを図る尺度であって、現在、日本銀行はこの当座預金残高を増やす努力をしています。

余剰な資金があるということはお金の価値が下がることであってお金の価値が下がるということは、物価が上がるということになります。つまり、引いてはデフレの脱却を目指すということになります。

現在は当座預金全体の11パーセント程度にマイナス金利が導入されているのであって、全部がマイナスになっているわけではありません。しかし、資金の余剰が日本をデフレに陥れる元凶ですので使われていないと思われるお金に対してマイナス金利を導入したのです。

住宅ローン、不動産投資に対する融資への影響

金利が下がるということはいいことだとどの投資家も思うことだと思います。しかし、モノはそう単純ではありません

そもそも銀行というのは、銀行預金、預金者によって集められた資金を融資するビジネスモデルになります。つまり、預金者には預金金利を付与して逆に融資を実行してもらった人に対して金利を徴収するということになります。

今回、一部のお金にマイナス金利を導入したということは、まず預金者の金利を低くしなければビジネスモデルとして成り立たないわけです。

全体の約1割のお金に金利を徴収するということを行ったのですから、預金者の金利がそれでもつくということは、9割のお金に対しては通常通り金利を付与しているということになります。

しかし、マイナス金利を導入したことによって金利全体は低下しますので、MMFファンドの途中清算や普通預金等の金利を下げる行動をとっているのです。

一方で融資に対する金利も低下するのは当たり前になります。ここで不動産投資をローンによって実行しようとする人たちは喜ぶと思いますが差にあらずということになります。

まず、この金利の低下によって銀行の取れるリスクが極端に減ることになります。今まで仮に5パーセントで融資を実行した場合、銀行側の考えられるリスクはその融資が回収できないというリスクを先ず一番に考えます。

5パーセントの金利ですとこれを100パーセント融資を実行した金額を回収するためには単純な計算では95パーセントの貸しだしたお金を回収すれば銀行の損はなくなります。

しかし、これが1パーセントの金利になった場合は99パーセントの融資実行額を回収しなければ銀行は損失を被ることになります。
つまり実際の経済では、99パーセントということは完全に回収をしなければ融資を行う方がアホという考えられない事態に陥ります。

この金利の低下によって、銀行の融資実行には厳しい審査基準をクリアしなければならないといけないということが今後起こるということは間違いないと思います。

対応方法は?

個人の貸し借りにおいてはこの人から100パーセント回収できる見込みの下に、みなさんがお金の貸し借りをすると思います。

しかし銀行の場合は見ず知らずの他人に貸付をするのですから、少しでも過去に金融事故を起こしたり、投資先の運用利回りの見積もりが甘い場合等においては一発でアウトになるでしょう。

金利の低下は借りる立場では喜ばしいことになると思います。しかし、銀行側の貸し出し基準は相当厳しいものになると思います。

銀行は物件に対しての回収できる見込みを見抜くプロになりますので、その審査基準をクリアできる物件というのは超優良物件になるのです。つまりこの低金利時代は逆にいえば、自分の物件の選択眼を肥やす絶好の機会にもなり得ると思います。

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