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住宅ローン低下に湧く不動産業界

2016年1月、日本銀行によるマイナス金利の発表があり、今月2月15日からそのマイナス金利が施行されました。

この発表直後に大手都銀は相次いで住宅ローン金利を引き下げました。今回は「マイナス金が与える不動産業界への影響」について考えていきたいと思います。

マイナス金利の意味

マイナス金利というのはもともと、ヨーロッパの中央銀行、ECBが世界で初めて導入した制度になります。日本はしきりにマイナス金利と喧伝をされていますが、欧米ではネガティブ金利と報道、政策者はいいます。

なぜかといえば「金利がマイナスになって誰も喜ぶ人はいない」ということからです。借金をしている人は、金利が下がって喜ぶ人がいるのではないか、という方もいらっしゃると思いますが、銀行は金利が下がるとリスクを取りづらくなります

マネーと融資先

今まで金利5パーセントで貸していた融資を例にして考えてみましょう。この場合、未回収率が5パーセントあってもその利ザヤを計算すると儲かる仕組みだったのです。しかし、金利が下がると当然のその未回収率の低下をさせなければいけないのが当たり前の観念になります。金利1%であれば、回収を99%しないと儲からないのです。

こういった理由で、「金融緩和でマネーは有り余っているのですが、それに見合う融資先がない」のです。そしてリスクを冒すのは避けたいということであれば相対的に融資は減ってしまうのです。

日本での影響は?

そのため、金利が下がるということは現状の日本では逆にマネーが流通せずに景気を停滞させる可能性のほうが高いのです。

マイナス金利(ネガティブ金利)というのは経済を活性化させるために導入したのですが、このマイナス金利の反対論者は「停滞するリスクが活性化する可能性よりも高い」ことを懸念しているのです。

不動産業界では?

人間誰しも、借りたお金の金利が下がるのであれば喜びます。同じようにマイナス金利で住宅ローン金利が下がったという理由で、不動産業界の営業マンも喜びます。

それに乗っかりマスコミが取材をして、彼らの生の声をニュースで伝えます。「住宅ローン金利がさがったので購入者が増える可能性が高い」と。そして問い合わせが数倍になっているなど、実際に不動産の購入者が増えた・増えているようなニュアンスを伝えます。

この報道の問題点というのは、何でしょうか?そもそも不動産業界は住宅ローン減税やリフォーム減税等によって他の業界よりもすでに潤っているということです。こういう政府の政策効果というのは、みなさんの想像以上の実績があり、不動産業界はすでに上向きの業界になになっているのです。

しかし、よく考えてください。2017年4月に消費税が2パーセント増税をされます。そして金利と掛け合わせて考えた場合、もともとゼロに近い金利だったものがさらに下がっても、普通に考えて精々0.1%くらいが妥当なものです。

こういった中で、「不動産投資や新規の住宅購入者にいったいどれくらいの余裕がでるのか」が焦点になります。最近では相続税の増税によって住宅価格、不動産価格も上昇気味になっています。結局その「価格の値上がり傾向」と「金利の低減効果」に「増税」を勘案すると、総合的に判断して効果が見込めるとは思えないのです。

つまり、金利がゼロになったことによって銀行はその貸出を余計にしぶり、優良な顧客相手しか商売をしないことになります。こうなった場合、限られた一部の購買層にしか、不動産が流通しなくなり、物件がだぶつき、それが引いては不動産価格の下落に転じる場面になる可能性もあるのです。

結論

不動産業者からすれば「売り文句がひとつ増えた」というのが素直な感想ではないでしょうか?しかし実際に売上が上がるとは、現場の営業マンはともかく、経営上層部は思っていないでしょう。

報道というのは事実を伝えるのが使命になりますが、最近の不動産や金融等の報道をみていると報道の人間が何も理解してないで、その場の雰囲気だけで報道していることが多々あります。

つまり本当の日本の不動産や社会の問題というのは、報道の質の低下に起因していることではないでしょうか。また投資家がこういった報道を鵜呑みにして「不動産ブームだ」なんて錯覚した場合、その人は悲劇にあう可能性が高いのではないでしょうか?

重要なのは真実を見極める力を身につけることです。不動産投資においても、優良な顧客相手しか商売をしない金融機関からどうすれば融資を引き出せるかを攻略すれば、自ずと結果は見えてくるのではないでしょうか?

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