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日本の不動産業向けの融資が84兆円になり過去最高を記録しました。この数字をみて不動産バブルの再来という方もいらっしゃいますが、はたして本当なのでしょうか?

去年(2015年)1年間の不動産業向けの銀行融資は84兆円弱になりました。この数字は日本のバブル景気を抜いて最高の融資額になります。2014年の融資残高は80兆円強になりますので約5パーセントの伸び率になります。

参考までにこの数字は住宅ローンの数字を含ます。不動産を生業としてる方々が不動産投資を行うために行った融資の総額になります。また、この数字は公共の自治体、政府をも含みます。

単純な数字の比較はできない

日本の不動産バブル時の数字を抜いているとはいえ、当時の国のGDP総額は300兆円程度で現在は500兆円になります。つまり、経済規模が約1.7倍になっていることを考慮し、更にバブル景気の貸し出し総額が60兆円程度とすると、この84兆円という数字は妥当な数字と計算上はなりたちます。

しかし、今は日本銀行によって異次元の緩和が行われているような状態になるため、この84兆円という数字はいわば下駄を履かせたような数字になります。またバブル当時は融資残高の総量規制がなかったということも勘案すれば、当時と数字上は単純計算上では一緒でも、意味合いは異なるということになります。

日本は土地本位制?

バブル景気のころの日本は、経済成長という観点でみると、実はそれほどすごいものではないのです。確かに給料等はあがりましたが、給料以上に物価が上がっていたことの影響が大きいのです。そしてその給料が上がる原資は企業が多くもつ不動産や株式であったのです。

つまり、経済成長というのは株価の上昇と、不動産価格の上昇が一因にあったと思います。その株券や不動産価格の上昇とともに企業の資産が膨らみ、その企業の担保価値が上昇をしたことで、お給料が上がりました。こういった背景により不動産投資が大ブームになったのです。

つまり本業で儲けていたわけではありませんので、バブルがはじけた後から今に至るまで深刻なデフレ不況が続いているのです。

日本の経済成長というのは実質的には1970年代までであって、それ以降は二度のオイルショック等によりインフレが進行した結果、物価が上昇し、それに伴い不動産価格が上昇したことにより繁栄していただけの話なのです。

つまり日本は土地本位制度ということは明白であり、日本の命運はこの安定成長期に突入している今、不動産価格を上昇させることが、景気を上昇させる一番の特効薬になるのではないでしょうか?

今の状況というのはお金が有り余っている状況?

たいていの方は「そんなお金どこに余っているのだよ」と思うのが普通だと思います。それはみなさんの銀行預金の残高をみれば一目瞭然だと思います。

企業も一般の国民も「たくさんお金を持っているのですが、その使い道がわからない」というような状況なのです。

たとえば、私たち一般の国民には常に老後の不安が付きまといます。だったら預金は使わないようにしようと思うのが普通です。またよく政治の世界では企業の内部留保がたくさんあることが批判をされますが、企業にしても国民と一緒で本業で儲かっていないことを経営幹部が一番わかっているのです。

過半の会社の決算利益というほとんどがコスト削減とリストラで儲かっているのです。だから企業は現金は手放したくないと考えます。また銀行は銀行で「借りたい人には貸して貰えない、借りてほしい人は借りて貰えない」というジレンマに陥っています。

つまりお金が余っているのは本当のことで、「本当はお金を使いたいのだけれども、将来が不安だから使いたくない」という本音が影響して、お金の循環ができていない状況になっているのです。

不動産融資は過去最高だけども

確かに去年一年の不動産業融資残高は過去最高でしたが、本当はこんなものでは済まないような状況になるかもしれないのです。

個人であれば今ある年金不安や社会保障の不安が払拭して、企業であれば本業で稼ぐ能力というものが回復すれば、去年が過去最高額との報道ですが、再びいつバブルになってもおかしくはないような状況とも取れるのです。

こういった背景を読み取れば、「不動産投資の実力はまだまだこんなものではないだろう」というのが私の本音になります。

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