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民泊条例が制定

2015年はAirbnb(民泊)にとって、大きな転換期となりました。

民泊条例が制定され、民泊に関する細則が明示されたのです。Airbnb(民泊)は法的にグレーゾーンと位置付けられてきましたが、今後はどうのようにすれば合法的に運用することができるのかの指針が完成したわけです。

ではすでに制定された民泊条例を基に、今後のAirbnbの可能性について考察していきましょう。

※民泊に関わる最新の法令については国土交通省観光庁HPをご確認下さい。

旅館業法

旅館業法(昭和23年7月法律第138号)の第二条の定義を見ますと、旅館業について以下のように定義しています。

第二条  この法律で「旅館業」とは、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。
2  この法律で「ホテル営業」とは、洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
3  この法律で「旅館営業」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
4  この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。
5  この法律で「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業をいう。 6  この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。

この旅館の定義に当てはまる営業施設は旅館業法に従わねばなりません。しかし、以下のような場合、その適用はまぬがれます

  1. 国家戦略特別区域内で営業すること
  2. お客さんと賃貸借契約およびこれに付随する契約を結んでいること。すなわち、アパートのように生活の拠点としての住居とすること
  3. 使用期間が7~10日であること
  4. 居室は国家戦略特別区域法施行令12条3号(床面積、窓、出入り口などに関して細かい条件が書かれています)を満たすこと
  5. 案内が外国語でなされること
  6. 事業の一部のみが旅館業に該当すること
エアビーアンドビー神奈川

国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業

近年は、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業の対象区域において、「外国人が宿泊できるように配慮された施設に限る」という形で、いくつかの民泊条例が生まれてきました。これまでに制定された民泊条例は以下の3つです。

  1. 大阪府「大阪府国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例
  2. 東京都大田区「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例」
  3. 東大阪府大阪市国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例」

他の国家戦略特別区での条例制定

これらの全ての条例の条例名に外国人と入っているように、外国人向けの宿泊施設を作ることが要求されています。

しかし、あくまでも外国人に「配慮した」形であって、日本人でも宿泊することができます。こういった条例は以下のような拡大を見せると考えられます。平成28年1月末現在、国家戦略特別区域は以下の地域です。

  1. 東京圏:東京都全域、神奈川県全域、千葉県 千葉市、成田市
  2. 関西圏:大阪府全域、兵庫県全域、京都府全域
  3. 新潟県:新潟市
  4. 兵庫県:養父市
  5. 福岡県:福岡市、北九州市
  6. 沖縄県
  7. 秋田県:仙北市
  8. 宮城県:仙台市
  9. 愛知県
  10. 広島県
  11. 愛媛県:今治市

残念ながら、こういった地域のほとんどで未だ民泊条例は制定されていません

また大阪府のように府としては条例が制定されているものの、府内において保健所のある市では条例が制定されておらず、見かけだけの条例になっている地域もあります。

しかし、多くの地域で条例制定に向けた検討はなされているようですので、以下のように順次制定されていくと期待されます。

第4次以降に指定される国家戦略特別区での条例制定

国家戦略特別区の指定区域は、国・地方公共団体・民間の三者によって組織される国家戦略特別区域会議において協議・作成され、内閣総理大臣によって認定されます。

これまで3回認定が行われており、1次は平成26年5月1日、2次は平成27年8月28日、3次は平成27年12月15日です。年間6地域ずつ増加ですが、数は確実に増大しています。

また認定が年に2回となったことで、認定速度も若干上がったように見えます

集中的な取り組みは2015年までのようですが、2016年は参議院選挙があります。

大阪府、大阪市、大田区で事業がうまくまわる、あるいは大きな問題が起こらないということが大前提とはなりそうですが、今後特別区に指定される地域数は増加するでしょう。

それに従い、外国人滞在施設経営事業に関する条例が制定される地域も増えるでしょう。

旅館業法

旅館業法の改正

国家戦略特別区でよい事例が出てくれば、もともと障害となっていた旅館業法の改正もなされると考えられます。

残念ながら、厚生労働省は平成27年12月の段階では旅館業法の改正を見送ったようです。

しかし、平成28年に簡易宿所の申請手続きの簡素化などの省令改正を行うようであり、これに合わせて民泊に関連する旅館業法の改正が検討されると考えられます。

おそらく平成29年度ではなんらかの法律改正がなされるであろうと期待されております。

こうしていくと、Airbnb に関連する法律は少しずつではありますが、整いつつあります。

今後ますますAirbnbのビジネスを行う環境はより良いものになっていくと期待されます。

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